今年も楽しく登山道整備ができました
仕事にしている登山道整備。
北海道の短いシーズンの中、今年もいろいろな場所で整備をすることができました。
近自然工法の考え方を使い、自然に近づける施工をしています。
現場にある材料を活用し、侵食を止め、風景に合わせ、出来るだけ少ない施工で・・・
と、考えるとけっこう大変です。
ただ最近は難しい場所ほど面白く感じるようになりました。
今年の施工例をちょっと紹介します。
倒木を使った段差処理。こんな感じの侵食場所はたくさんありますね。
施工前後
周辺の倒木や石材を使い、ステップを作ります。
上下の写真は ニペソツ登山口付近の施工(整備研修会で作りました)
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こちらは愛山渓での施工。木材、石材が少なく、樹林帯から歩荷しました。
同じく愛山渓。こんな形の路面保護もしています。
登山者の踏圧で斜めに削れていく場所も、フラットな踏み面があれば保護できます。
愛山渓。導流工という排水のための施工です。
降雨時に登山道を流れる水は侵食の大きな原因です。
同じく導流工。あえて曲がった木を使ってみました。
施工前後で水の量が少なくなっています。
導流工は侵食防止にはとても大事な施工になります。
風景にもなじむように、倒木が自然に引っかかってできたように作りました。
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ここは旭岳、裾合平。こんなに水があったらどうしても植物帯を踏む人が多くなります。
この周辺は以前整備されたところですが、足りない施工や無駄な施工が多くありました。
周辺には材料が足りないので、無駄になっている施工をバラし再設置することで材料確保しました。
数十ⅿに渡って歩きにくかった場所。
右側のロープを越えて歩く人が多かった場所も付近の木道を再設置することで
かなりの距離をカバーできました。植生が守られるかな。
つるつるで歩きにくかった場所も、周辺の砂利と杭にしていた木材を使い施工。
裾合平。ここは大仕事でした。以前施工した石組みが崩れてきていた場所。
自分が関わった石組だったので何とか直したいと思っていた場所でした。
使った木材は、ロープウェイからの歩荷。約2kmくらい。200㎏くらいかな。