今年も小笠原でやってます

今年も小笠原諸島に来ています。
毎年、小笠原村役場からの仕事で来ていましたが、
今年は環境省からの作業も増えました。
「近自然工法」の考え方が少しづ広がっているようでうれしく思います。
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出発の日はとりあえず除雪。
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新千歳空港はかなりの欠航でしたが、さすがは旭川空港、いつも通り。
おがさわら丸で24時間の船旅。ひたすら読書。
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着いたらすぐに下見。
今回のスタートは「オガグワの森」の道つくりです。
外来種がはびこる森を切り開き、在来種を植樹して、
新たな森にしていこうという村民も関わる道つくりです。
昨年から始まり、昨年は村民参加イベントで約100段の階段を作りました。
その時には50人の村民が参加。
その後の植樹イベントや道つくりイベントでは70人から100人の
村民参加があったとか。凄い!!
今回は村民参加イベントはありませんが、
難しい急斜面の歩行路確保を地元の方々と整備します。
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材料は切り出した外来種の倒木。
業者にお願いして長めに切ってもらった間伐材が使い放題です。
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長い!太い!
運搬はたいへんだけど、設置すると安定感抜群です。
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作業は地元の方々を指導しながら、手伝ってもらいながら、という感じ。
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発注者である役場チームは、産業観光課、総務課、環境課、
建設水道課、住民課、財政課等々いろいろな課の方々が入れ替わりで
来てくれます。考えてみるとこれは凄いことですね。
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環境省からも見学に。と言ってもすぐに手伝ってもらいますが・・。
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東京都レンジャーは整備もベテラン。
かなりの部分を任せられます。
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ひたすら玉切り男。頼りになります。
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初めての人は何をしたらかわからない。
だけどできるだけ作業を細かくしていくと、やるべきことが理解できる。
しっかりと戦力になります。
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難しい木材合わせ。
時間はかかっても、地元の人ができるようになることが大事。
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そして、毎年会う方々はようやく自分の性格をわかってきたようです。
「この人ダメ出しがものすごい!!」
毎年行く斜里岳などでも言われますが、地元の人がした施工でも
「ニコニコしながら全否定する」とか「少し違うと言いつつ全部直す」とか。

そうなんです。自分はダメだと思ったら否定をする男。
すべてに「イイね」と言っていれば好まれるけど、道はダメになる。
どんなに嫌われてもダメなものはダメと言います。
その場で出来る全力を投入します。

だけど、そうでなければならないということも、わかってくれていると思います。
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そんなこんなで厳しい斜面にバッチリ階段が出来ました。施工前後。
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ここは老若男女が来るところ。
「なんとか歩ける」ではなく「安心して歩ける」施工を。
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大木の根をイメージした階段工。
どれが根なのか、施工物なのかわからないほど自然な仕上がり。
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石材の代わりに玉切りにした丸太を使用。
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スロープにも小段をつけてもらうなど、細かい配慮。
ちょっとした説明しかしなかったけど、よくここまで仕上げてくれました。
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太い木って良いなぁ。安定感抜群。
杭はもちろん、カスガイもほとんど使わなくて良かった。
埋めたり引っ掛けたりするだけで杭施工よりも強度が出ます。
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階段をカーブさせ、斜度を緩くし、踏み面を広く見せ、安心感ある階段に。
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地元の人が「これはイイね」と言ってくれるのがありがたい。
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良い森の道になりそうです。
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それにしても人が多いんだよなぁ。指示出しがタイヘンなんだよなぁ。
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冬にも施工ができる環境を作ってくれることに感謝。
技術を高め、アイデアを広げたいと思います。
何よりも楽しいからイイですね。