知床 三ツ峰キャンプ~二つ池

久しぶりに知床の登山道を見てきました。
 
8月9~10日にかけて環境省のアクティブレンジャー(AR)と一緒に「二つ池」までの
ルートを歩いてきました。
環境省ARはウトロ事務所に2人、羅臼事務所に2人常駐し、環境省レンジャー(保護官)の
補佐をしています。
今回はこの4人が木下小屋から硫黄山まで登山道の調査や整備をしながら縦走
するという計画で、自分は登山道の侵食状態を見るために同行させてもらいました。
 
 
         木下小屋を出発。
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天気は曇りですが蒸して暑い。
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地元の人が直している登山道。土嚢を使うのが上手です。
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ここの樹林帯はいい風景が多くあります。クマも多いみたい・・・。
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今シーズンは登山道整備事業があり、そのための石材をヘリで運搬していました。
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整備で使う石材。色が白い。登山道の色とは全く違うので非常に目立ちます。
これが多く使われると登山道の雰囲気も変わる可能性があります。
大雪山では施工物が風景を崩し、けっこう問題になっています。
知床の整備も同じ設計者です。大丈夫かなあ。
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大沢を登るAR。
今シーズンは残雪がかなり多いそうです。大雪山と同じですね。
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遅い残雪のおかげで登山道脇にはまだ春の花が見られました。
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羅臼平でキジ打ちのチリ紙を回収するAR。
ここはトイレブースが必要ですね。
登山者は携帯トイレの携行をお願いします。
*キジ打ち・・野糞
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ヒグマ対策のフードロッカーも点検。
今のところ問題なく使用されているようです。
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羅臼岳はガスがかかり全貌は見えず。
かっこよく見えました。
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こちらは夏の花。けっこうな群落です。
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羅臼平から三ツ峰にかけての登山道侵食。
登山者の利用数の割に大きく崩れています。
流水対策をしないと侵食は拡大しそうです。
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三ツ峯キャンプ場にかけてのルート。
複線化や侵食拡大がはっきりとわかります。
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この崩れも、広がると複線化や侵食の拡幅につながります。
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三ツ峰キャンプ場。誰もいない。
テントは7~10張りはいけそう。
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豪華な夕食。けっこう寒い。
この時はまだ曇り。これから天候が悪化しました。
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翌日は雨。天候回復は難しいので予定を変更し、三ツ峯にもう一泊。
二つ池までの視察と作業のみを行ないました。
十字架(標識)を担ぐAR。サシルイ岳やオッカバケ岳(変な名前)の山頂では
久しぶりに吹き飛ばされそうな暴風雨を体験しました。
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風雨の中、二つ池で標識を立てるAR。
こんな日でも仕事とはなかなかやります。
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登山道脇にはこんな渓流も出現。
登山道にも流れているので流水」による侵食は止まりません。
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二つ池付近にも土嚢施工がありました。
歩きやすさは格別です。
ただ、流水対策がなされていないのでその辺が気になります。
土嚢の脇が掘れてこなければ良いですが・・。
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今回、ARには近自然工法による流水対策の考え方を少し伝えました。
考え方をしっかり理解すると施工方法はたくさんあることに気が付きます。
ぜひ近自然工法を理解してもらいたいです。
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自分は予定があるので一泊で下山(ARはもう一泊)。
天候のせいか、土曜日なのに登山者は一人だけ。
良い山だけど登山者は少ないのかな。
樹林帯で見つけた風景。こういうのが好きです。
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このルートでも今年から整備事業が始まりますが、
侵食を止め、生態系を回復させ、風景に馴染む施工(近自然工法の考え方)
をやってもらいたいものです。施工方法はたくさんあります。
大雪山では失敗施工が多くあります。知床でも同じ失敗をしないようお願いします。
五年ぶりくらいの知床でしたが楽しい山行でした。