登山道は川である。愛山渓
9月4日 愛山渓の登山道を見てきました。
ここの登山道の一部は、昨年と今年に「近自然工法」での整備が行われています。
8月中にほぼ整備は完了したはずなので、この台風でどうなっているかを確認です。
本当は2日や3日の豪雨の時に見たかったのですが、愛山渓への道路が通行止になり
解除を待っての登山になりました。
実は2日にも来ているのですが、既の差で通行止でした。
その時と比べると濁りもなくなり、川の水量もずいぶん減っています。
ただ、道路脇の樹林帯にも水が流れており、今回の台風の凄さが感じられます。
登山口付近の川は濁りもなく、釣りができそうなほど。
歩き出すと晴れ間も出てきて天気は回復傾向です。
川になっている登山道を見たいので本当は豪雨を期待したのですが・・。
歩き始めてしばらくは登山道に水の流れもほとんどなく期待はずれです。
流れたあとは見えるのですが・・。
三十三曲りを上がりきる頃にようやく流れが見えました。
「登山道が川になっている」 小川だけど・・・。
見たところ、水量はずいぶんと減ったようで雪解けの頃よりも少ないくらいです。
しかし、登山道脇を見ると枯れ草などの流れたあとが水量の多さを示しています。
石組みの左側に水が流れているのが
わかります。
本来は水は石組みの左右を超えないように
設計、施工しなければなりません。
他の石組みを見ても、水の流れが左右の土壁(法面)を通っている箇所が多くあります。
これらは土壁が徐々に浸食され石組み自体が崩れる可能性があります。
実際どうなるのかというと・・・ こうなります。
施工直後 数年後
石組みの左右が浸食されて石組みが浮いてきています。
これでは浸食は止まらず、長くは保ちません。石組みも崩れます。
木柵工においても同じく、少々の対処が必要です。
木柵に切り込みを付け、水の流れる箇所を作っていますが法面を通る箇所が多く見られます。
また、水たたき石の無い箇所も多く、こちらも補修が必要です。
見た感じでは施工全体の3割以上はこのような問題があるようです。
豪雨時はもちろん融雪時期も今以上に水量があるので、現時点でこれらの問題があるならば
早急に対処する必要があります。
これらの補修としては石の増設の他に、導流工といって登山道外に水を逃がすやり方があります。
今回の施工にはほとんどこの導流工がなかったので設置すべきだと思います。
石組み工は長く保つ施工と言われていますが、これらの問題点が解決しない限り
本来の良さが出てきません。しっかりとした対処を望みます。
その後、六の沼まで見てきました。
天気は曇時々晴れ。
風は少々あるが寒くない。
半袖でも十分なほど。
台風の影響でしょうか。暖かいです。
ただし、9月初旬と言えばいつ雪が降っても
おかしくない時期です。
防寒具は忘れずに。
紅葉は高い位置で少々始まったようです。
台風が過ぎ、朝晩の気温差が激しくなったら
一気にきそうです。
今年の施工はこれで完成にはならないと思いますが、浸食を止め、壊れない施工が必要です。
問題点以外の施工には非常に良く出来ているものもあります。また、歩きやすさは数年前に比べ
格段に良くなっています。数年で崩れるような整備にならないように望みます。