黒岳カムイの森の道
7月4日
一冬超えた「黒岳カムイの森の道」を見てきました。
ここは昨年、りんゆう観光さんが管理者となって作った道です。
ササを刈り払った場所を、利用者が通っても崩れない道にするのが自分の仕事でした。
一冬超えると自然が答えを出してきます。
自分の施工は正しかったのか、間違っていたのか。
正しければそこに自然が出来てきます。
間違っていれば施工物は排除されます。
ものすごく緊張した散策でした。
ササがはびこる泥炭のような土壌は、踏圧侵食に弱く
しっかりした踏圧保護と、土壌が逃げない木柵処理が必須でした。
施工する時も人力の資材運搬だけでぬかるみが出来たほどです。
一年経って、最低限の資材だったけど、ぬかるみはできていない。
まずは良し。
斜面に合わせて、足弱の観光客でも歩けるような段差を考え・・
馴染んできている。良し!
自分の施工は設計図なんてありません。
木や根や石や斜度や植物に合わせて考えます。
利用者が不安なく歩けるように、上から下から見た時の印象も大事にします。
崩れはない。良し!
ぬかるみ、崩れ、なし。良し!
斜面わずかに見える水みちを把握して、
歩行路途中には排水路をあらかじめ設置。
しっかりと機能している。
大丈夫だ。
昨年の台風が重なったときの豪雨では少しだけ土砂が抜ける場所が見られましたが、
りんゆう観光さんの職員の方がよく歩いて手入れをしてくれているようです。
水が溜まりやすい場所では、あえて歩行路を狭くして水の通りを良くする。
路面が乾いているときはどこ歩いても良いんです。
自由に施工させてもらったなあ。
橋も全く問題なし。
この風景を見た時、グッとくるものがありました。
昨年は登山道には花は何も咲いていませんでいた。
だけど、日光が当たればきっと花を咲かせる植物がいるはずだ。と信じていました。
数年かかるだろうけど、明るい道になればきっと咲くはず、と思ってましたが・・。
昨年は全く見えなかった花が驚くほど咲いている。
こんなに早く咲くとは思いませんでした。
これを見た時も嬉しかった。
標高が高い場所では復元には時間がかかるはずでした。
見ると階段の下から植物が生えている。
施工物と自然が馴染むと植物が生えてくることが多いんです。
良かった・・。
自然に嫌われてはいなかった。
これから手入れを続けていければ、もっと良い道になるだろうなあ。
りんゆうの職員さんが喜んでくれていたのが嬉しかった。
歩きながら涙が出たのは初めてだった。
全力で作業して本当に良かった。