原始ヶ原シンポジウム

12月4日
富良野市で原始ヶ原について語るシンポジウムが開催されました。
メインゲストがモンベル会長の辰野勇さんでした。
辰野会長、環境省富良野市富良野山岳会、林野庁、北大渡邉教授、自分・・がパネリストで
原始ヶ原の利用と保全についても、少しだけディスカッションがありました。
自分も含めて皆さん、言いたいことが多々ありましたが、ほとんどしゃべれなかったと思います。
時間が全然なかった。本当は午前中から一日かけても議論は尽きなかったと思います。
いい機会だったけど、もったいなかったなぁ。
とは言え、100人以上の参加者で、盛況に終わりました。
翌日には北海道新聞で記事になってました。

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原始が原は大雪山のなかでもマイナーなルートですが
解放感ある湿原、滝がいくつもある川沿いのコース
これらが登山口から近くにある場所は他にありません。
ただし、どんな人でも楽しめるかというとそうではなく、
楽しいと思える人は地図やGPSを読み、長靴で歩くことができ、
増水時でも危険予測や判断ができる人に限られますがね。
でも初心者はガイドさんやベテランと一緒に歩くと大丈夫。

だけど何よりもここで一番考えるべきは「保全
侵食が起きないようにすること。
登山者が増えるとすぐに裸地化→ガリー化→複線化→土壌乾燥→植生変化 等々
どうなるかはだいたい見えています。
こういう風にしてはいけない。

良い場所だよ、と宣伝するならば
利用者を限定し、登山道へのインパクトを少なくしなければなりません。
利用者を増やすだけの宣伝ならばとりかえしのつかないことが起きます。
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この湿原をある程度自由に歩ける場所は日本でもほとんどないでしょう。
人が入れる場所なのにこれほど侵食が少ない場所もほぼないと思います。

視点を変えると魅力はすごくある。
本気で利用システムを考えるならばとても良い場所。
だけど実行すようとするとしばらくは苦労しかないだろうなぁ。

調整、許認可、地元の雰囲気作り、
無駄や失敗、気苦労を何年も重ねないとそういうシステムにはならないだろうなぁ。

でもそれが出来たら大雪山から全国へと発信できる面白いシステムができるはず。
苦労の先の面白さも見えています。
今、富良野市がこの場所を「地元の宝」として活用しようとしています。
自分も及ばずながら、その苦労に付き合います。
面白い利用方法を作っていきたいですね。

そしてシンポジウムでは辰野会長の講演が良かった。
内容はたくさんあり過ぎて書きませんが、
責任感があり、夢や希望があり、
苦労やリスクがあっても面白いことをやろうぜ、
という人としての根幹にグッときました。
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思えば最近は何かをやろうとすると「誰が責任をとるんですか」という
やる気がなくなるキーワードをよく聞いていたような気がします。

「リスクがあっても良いことを、面白いことをやろうぜ」
そう言って実行できる人になりたいもんです。
今の自分のタイミングでこの講演を聞けて良かった。