黒岳カムイの森の道 オープン

8月9日
黒岳の7合目から新たな登山道がオープンしました。
「黒岳カムイの森の道」と言います。
今まではロープウェイとリフトを乗り継いでも、7合目には登山口しかなく、
黒岳に登らない人には寂しい場所でしたが、これからは遊歩道を歩くという楽しみが増えました。

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この遊歩道は自分の会社「北海道山岳整備」が施工したこともあり、
オープニングイベントに呼ばれてきました。

新たな遊歩道開通には
神事があり・・
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この道に関わる方々のお話があり・・
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なっきーも来てます。
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テープカットをして、いざオープンです。
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アドベンチャーレーサーの田中さんが先頭でみんなで歩きます。
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とはいえ、遊歩道なんでとっても歩きやすいです。
距離も終点まで360m。ゆっくり往復で30分ほど。
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幼稚園児でも、スーツ着てても、スニーカーでも歩けますよ。
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それでも施工にはかなりの苦労をしました。
施工前はこんな感じ。
りんゆう観光さんが刈り払いを行ない、ルートはあったのですが、
こういう道は利用者の踏圧侵食にはとっても弱いんです。
このままではあっという間に土壌侵食、泥濘化が進んで大変なことになると思ってました。
トムラウシのカムイ天井あたりが似た感じですかね。
相談されたとき、「自分ならこう施工します」なんて言ってたら
じゃあやってくれ、という感じで施工をすることに・・。
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施工後はこんな感じに・・
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地形を変えず、水の流れを読み、踏圧から守る。
設計図なんてとっても大雑把に、徹底的に現場合わせの施工です。
崩れた場所を直すことはよくあるけれど、予防の施工はなかなかできない。
いい経験になりました。

利用者は登山者よりも観光客が多いはず。
きつい段差は作れない。
現場を観察し、きつい登りもなだらかになるように基礎木を設置。
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基礎が出来たら階段の間隔を考えて(傾斜に合わせて)設置。
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木の固定方法は様々に・・。
細かい作業の連続でした。
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チェンソー作業は必須。
毎日手がしびれてました。
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ただし、何よりも大変だったのはこの資材の荷上げです。
木材が約800本(1本10~20㎏)
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石材(砂利)が約8トン
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すべて人力で・・。
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荷上げはいろんな学生に手伝ってもらいました。
旭川ラグビー部(今年はへなちょこ)
なぜか茶華道
クロカンの選手
根性の英語部
どいつもこいつも楽しい奴らでした。
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クロカン選手の彼は平均50㎏を一日数十往復。
70㎏オーバーを担ぎ、50㎏なら走ってました。
つらい時こそ笑ってる。こういうヤツと仕事がしたい。
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ニノキンもいる。
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女性も参加。
無理するな、と言っていたのに気が付くと40~50㎏を担いでいる。
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女性が頑張っていると、男は「やらねばならぬ」と思ってしまうね。
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そんな苦労の上にこの道があります。
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この道は紅葉時期には全く違う表情になると思います。
ササ以外はほとんどが色の付く木。
これからがとっても楽しみなルートです。
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アップダウンはあるけれど、段差はとっても低くしてあります。
足の弱い方でも大丈夫。
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終点からは「あまりょうの滝」や黒岳山頂が見えます。
この日はガスっていたので山頂は見えませんでしたが、滝はばっちり。
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小さな橋があったり、飛び石があったり、木を跨いだり
全く大変ではないけれど、登山の雰囲気もあります。
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今は刈り払ったばかりなので花は少ないけれど、
明るい道には明るい花が咲きます。
これからの変化を見ていきたい道になりました。
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黒岳に来たら、登山のついでに、登山できない人はちょっと歩くだけでも。
一度歩いてみてください。