小笠原父島での作業・・・木の施工、そして荷上げ。

小笠原諸島父島での歩道(登山道)整備が始まり、半月が経ちました。
良いペースで進んでいます。
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近自然工法では、できるだけ地域にある現場に馴染む資材を使って施工します。
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小笠原ではシロアリ被害が多く、やわな木材を使うと一年も経たずに崩れますが、
モクマオウと呼ばれる外来種の木はシロアリに強く、腐食しにくいため
こちらの歩道整備ではよく使用します。
とくに海岸沿いの潮風に当たっている奴は強いらしい。
なので海岸沿いから切り出して現場まで運びます。
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長さは1m~4mほど。
長いものも曲がったものもそのまま運びます。
モクマオウはとにかく重い。
水に沈むほど重い。しかも生木。
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なかなかの量だねぇ
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良い風景だ
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登山口からは作業員(ボランティア含む)が
思い思いの量を運びます。別にノルマはないんだけどね。
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背負子で運ぶ。
これくらいだと20㎏くらいかな。
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4m近いものは二人がかり
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3mくらいなら一人で。
だけど現代人は肩が弱い。重さには耐えられるけど痛みには弱い。
肩当ては必需品です。
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日頃事務職の人でも作業で来たら問答無用で担ぎます。
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こういう担ぎ方もあるね。いつか試してみよう。
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これは重い。そして肩が痛い。
これを3㎞ほど運搬。
でも、みんな笑っている。ぜんぜんつらそうではない。
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重いの担がせてぎゃふんと言わせてやろうと思ったけれど、
こちらがバテそうになった。
小笠原人は強いねぇ。
これからはこの量が普通になるねぇ。
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そしてようやく作業。
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現場は侵食箇所や土砂崩れ箇所だから足場が悪いことが多い。
作業員は役場の人、ガイドさん、行政関係者など
土木作業員はいません。
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だけどこんな場所でも大丈夫。良い階段が出来ます。
「土木作業はこうしなければならない」という先入観がないほうが
自然に合わせる施工は考えやすいようです。
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どうやって段差解消しようかと考えます。
手段や形はたくさんあります。
そんな時には地元の方の意見にいろいろとヒントがあります。
「何をしてもいい」よりも制約があるほうが考えやすいですね。
施工前
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施工後、曲りの木が良い感じです。
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毎年参加してくれる東京都レンジャー
彼らの強みはとにかくポジティブ。
「まあやってみよう」
という感性はとにかく大事です。
なにが正解かなんてわからないんだから。
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土砂崩れで斜面をトラバースする場所。
だいたいイメージを伝えたら東京都レンジャーにお任せです。
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イメージ通り、いい感じです。
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役場の人もいろいろな課から父島だけで総勢20名が参加。
作業の時は皆さん楽しそう?です。
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役場でパソコンの前にいる時とは全く違う顔してます。
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環境省保護官も参加してくれます。
どんな人でも荷上げからですが・・・。
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できるだけ地元の人にアイデアを出してもらおうと思っていますが
なかなかいい感じで木の曲がりを使ってます。
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この石は重そうだ。
だけど都レンジャーだから大丈夫だ。
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みんなに見られる作業は少々緊張してますかね。
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自分の作った施工個所を歩くと・・・笑ってます。
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気温は20~23℃。作業には快適な気温。
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この日は昼ご飯を公園で。
座るとのんびりして眠くなります。
今時期の北海道で外で寝たら死ぬね。
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いつも自炊をしていますが、今年はわけあっておかずが非常に豪華。
昨年は野菜不足で口内炎が多発したから薬も持ってきたけどそんな必要はなさそう。
今年の仕事が良い出来だったらきっとこのおかげです。
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小笠原での作業は4年目。
ずっと作業に参加してくれている人もいて少しずつ技術が伝わっています。
このくらいの根系裸出個所ならば・・・
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イメージを伝えたら、いい感じにしてくれます。
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このくらいの段差処理でも・・
杭を使わずに、しっかり施工してくれます。
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施工の時にはイライラしないようにしましょう。
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使える資材と形をよく考えながら、シンキングタイムは長いけど
結果は自分の考えとだいたい同じようになってきました。
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細かい場所は小技が必要です。
技術の引き出しが多くなれば簡単な作業になります。
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施工前
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施工後。数時間で完成できるようになりました。
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こういう場所ならば、もっと簡単。
木をはめて砂利などを詰めるだけ。
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石はほとんどないけれど、良い木材があったのでこういう使い方もします。
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作業が早かったなあ
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きつい作業は多いけど、面白くない作業はありません。
今年の小笠原も本当に楽しい。
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父島の作業はだいたい目途がついてきましたが
最後に荷上げのきつい大場所が残っています。
今までにない重さの木材。
まあなんとかなるべ。
頑張りましょう。