小笠原父島の遊歩道整備、進む。

今年は例年になく雨が多い小笠原諸島
雨になると整備作業が中止になる場合が多く、作業の進捗が心配になりますが
3年目になるこの事業で少しずつ作業ができるようになっている人もあり、
一日の作業ペースはなかなかのものです。

                        細かい作業も丁寧に。
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時に細かく繊細に。
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一度決めたら大胆に。
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作業手順を覚えてくると作業が早くなりますね。
斜度のある滑りやすい斜面に・・・
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基礎になる木材を固定し・・・
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なんとなくのイメージをつかみ・・・
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施工完了。一段の高さ・木材の固定方法・歩く位置いろいろと考えてあります。
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基礎木を使うと土壌が流れ出ることがなく、木柵がハードルのようにならないんですね。

施工前、上から見ると滑りやすい道・・
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施工後、しっかりとした階段はできているけど見た目には変化が少ない。
違和感なくできています。
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作業前、おおまかな方向性は伝えますがその後はだいたい地元の人が頑張った。
近自然工法、覚えることはたくさんあるよ。次に行こう。次を考えよう。

こちらも施工前後。
運んできた木材を使い、現場のいろいろな場所を使い、頭を使い・・
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施工後、使いやすく違和感のないように・・・できたべ。
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上から見ると踏み面が少ないので段差の形を気にします。
恐怖感のないように、誰もが使ってくれるような階段にしないとね。
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施工後、滑りやすさは消え、気にせず使える階段に。
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個人的には優先順位はこちらのほうが高い場所。
踏圧のため根廻りの土壌が斜面下へと崩れていました。
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施工後、いくら踏んでも大丈夫。「オガちゃんステップ」完成。
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予防という意味ではこちらも大事です。
踏圧により根系裸出し始めている場所。根を保護したい。小細工を効かせた施工です。
施工前
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施工後、見た目は少ない施工ですが、歩きやすさも改善され、根も保護されます。
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この日の作業では一人気になる青年がいました。
体力的な作業を担当すべく来てくれた青年でしたが、こちらとしては
そういう人にこそ施工に関わってもらいたかった。
初めは作業を見ていることが多かった。
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後ろから皆の作業を観察していた。
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青年のボスも作業に参加しており、いろいろと小言を言われながらも
観察しながら作業していた青年。
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作業が終わり、青年にお疲れさんと挨拶すると一言、
「すみません、ぜんぜん(技術が)わかりませんでした」

素直な感想にとてもうれしくなりました。
自分も近自然工法に関わって3年くらいは全く理解できませんでした。
今でも、わかっていなかったことがわかり、
気が付いていなかったことに気が付く毎日です。

近自然の考え方とは自然の成り立ちを理解することに近いと思います。
数日の施工や数回の講習で理解できる人がいれば天才ですね。

青年のように「わからない」と言える人が「わかった」と思ったとき、
表面的に理解している人より、はるかに深く、広く物事が見えているはずです。

表面的な理解なんて気にせずに、
「わからない」と言えることに自信をもって、作業を続けてほしいと願います。
そういう人と作業するのはとても楽しいもんです。
次回も頑張るべ。