たまには山に恩返し

9月6日

今年も「たまには山に恩返し」と称して一般登山者による登山道整備を行ないました。
これは山楽舎ベアーさんが数年前から実施しているものです。

山楽舎ベアーの代表、佐久間さんは山岳ガイドですが、いつも利用している山を
守りたい、恩返しをしたい、との思いで始められたようです。

地域のガイドさんがこういう思いで行動してくれるのは本当に嬉しくなります。

今年は上川振興局さんと共催することになり、参加者は20名を越えました。

当日は晴れ。ありがたい日和です。場所は旭岳姿見園地。 


姿見園地は大雪山で最も利用者が多い場所です。
遊歩道となっていますが、段差が高かったり石が乱雑に組まれていたりと
なかなかに厳しいルートです。
高齢の観光客はルートに厳しさに途中で引き返す人が多く見られました。

遊歩道なら遊歩道らしくしっかりと整備し、登山は出来ないけれど
山を体験したい、見てみたい、という人にも来てもらえるようにしたいと思っていました。
イメージ 1


参加者は4~5名のチームに分かれて各所を整備します。
つらそうな高い段差には木柵階段を増やし、
歩き難い石階段は歩きやすく組みなおしたり・・。
イメージ 2


登山者ならば全く気にしないこの段差も、観光客の方々には気になる段差です。
イメージ 4
施工後
イメージ 3


補助的な石は置いてありますが、下り時にはかなり不安でした。
イメージ 5
施工後
イメージ 6


木柵階段の施工はとても簡単。
木の固定さえできればすぐに階段になります。
イメージ 7
施工後
イメージ 8


そして追加の階段は大きくなくても良いんです。
前後の歩行路をよく見ると人の動線が見えます。
そのポイントにあれば狭くてもとても使いやすい。
イメージ 9
施工後
イメージ 10


補助的に置かれた石では不安がありますが・・・。
イメージ 11
施工後、いい感じです。
一段の中に石材でもう一段。発想は自由にいきましょう。
イメージ 12


昔、土木業者が作った石階段も崩れはないのですが、歩き難い・・。
イメージ 13
下側に木段を追加。上側には石材を再設置して段を広げました。
見た目はあまり変わりませんが、歩きやすさは歴然です。
イメージ 14


こちらも同じく・・。下の木階段は昨年のみんなで整備の時のもの。
今年はさらに歩きやすく。
イメージ 15
その後を見てるとみんな木階段を通ります。あたりまえですけど・・。
イメージ 16


頼りなげな木階段も・・
イメージ 17
こうなると不安なし。子供は走って登ります。
イメージ 18


観光客にはつらい段差。
イメージ 19
この木階段のつなぎ方には秘密があってテンションがかかると強く固定される…等々。
技術はともかく、良い階段だ。
イメージ 20


施工は段差解消だけでなく、水の処理も行ないました。
ここは豪雨時には溝ができるほど水の流れが強いんです。
登山道に水が集中しないように排水のための施工です。
イメージ 21
施工後。豪雨時には流水は半減すると思います。
イメージ 22


今回は若い参加者も多く、頼りになりました。
なんせ荷上げはつらい作業ですから・・。
木階段の追加には木だけでなく、平面を作るための石材が多く必要です。
近くの枯沢から延々と運んでくれました。
来年も来てね。
イメージ 23


今回は日ごろ表に出ない段取り人を紹介。
作業前に木材を各所に配置し参加者がスムーズに作業できるよう
段取りを行なっています。
60kgはあるんじゃないかね。やるねぇ。
イメージ 24


こういう段取り人がいると本当に助かります。
イメージ 25


これだけ担ぐと高い段差のつらさがよくわかる。
どこを補修すべきかもよくわかる。
イメージ 26


勢いのある人がいると面白いことができるような気がします。
苦労を共有してくれる人がいるととてもやる気が出ます。
大雪山保全は少し良い流れが出てきたような気がします。
続けていきたいですね。
イメージ 27


本当はもっと写真を撮りたかったのですが、忙しくてなかなか・・・。
皆さんの作った階段は、その後いい感じで使われていますよ。
イメージ 28

ここ姿見園地だけでなく、保全活動は行なわれています。
歩行路の改善や、植生保護、崩壊の防止、等々
これからも様々な場所で様々な人と作業できるとありがたいです。

今回の整備活動はNHKでも紹介されました。
また、今回の資材(木材)は美瑛山岳会会長さんの提供です。

整備を企画する人。
調整する人。
資材を集める人。
参加する人。

いろいろな人にお世話になっています。
これからもよろしく。です。