裾合平での整備

8月27日

この日は昨年に引き続きパークボランティアの方々と登山道整備を行ないました。
場所は裾合平と中岳分岐付近。

                 とりあえず作業はこれから(荷上げ)。

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荷はあまり重くないけど距離があります。
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ひどい侵食だ。
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今年はこの場所で新たな施工方法を試すことができました。
昨年、業者施工で土留めが行なわれましたが、土留め下の崩れが大きく
このままでは土留めごと崩れる可能性がありました。
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まずは木柵の土留めを追加して・・
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これです。ネット工。
今回は流水からの保護と凍上現象(凍結融解現象ともいう、霜柱ですね)
からの保護が目的です。
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凍上現象とは
秋、朝の気温が低い時、霜柱が立ちますが、日中気温が上がると・・・
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霜柱の頭についた土が崩れていきます。
こうなると少々の雨で簡単に流されてしまいます。
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この霜柱による侵食は実は非常に規模が大きいのです。

これを軽減するための施工です。
大雪山では湿原の植生復元ではむしろやネットを使っていますが、
法面保護としてはほとんど前例がありませんでした。
今後は必ず必要になる工法だと思っていたので、ぜひどこかで使わせてほしい
とお願いしたところ、今回のパークボランティア整備で使うことができました。
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どこに、どのように、どうやって、
経験はほとんどありませんが、これが経験になっていきます。
大雪山としてのデータが必要です。
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とは言え、皆さん登山のベテランが多く
登山道の雰囲気や変わりようを知っています。任せて安心。
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完成。
これがどう変化していくかが楽しみです。
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裾合平ではこの施工もやりました。
       昨年、ここではテンサーと呼ばれる素材を使った土留め工を行ないました。
    一年で高さ40㎝程の土が溜り、施工物の崩れもほとんどなく、高い効果が見られました。

                         昨年の施工直後
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今年の状態 ほぼいっぱいまで土壌が溜っています。
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この素材は施工が簡単で非常に軽く周りの土壌や礫を使えます。
強度も高いので荷上げのたいへんな高山帯では有効に使えると思います。

昨年と同じような木道脇の大きく深い侵食。
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施工後 どれだけ埋まるかな。
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この施工もそうですが、考えて配置することが楽しい。
皆さんけっこう乗り気です。
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「これでどうだ」「いや、ちょっと傾いてるぜ」
とか言いながら。
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「俺は良いと思うぜ」「じゃあ次やるべ」
という感じです。
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整備の時にこういう人がいてくれるととてもありがたい。
なんせ、仕事の半分はこんな感じですから。
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なかなかに力があります。
若者の一般登山者の方も整備に来てくれるととても助かります。
ぜひ参加を!!活躍できますぜ。
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テンサーは大きさ、高さ、数、を変えられるので
場所に合わせて施工ができます。
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細かい流水対策を施して完成。
細かいところも大事です。
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自分の作ったものが後々まで残り、それが自然を守っている。
そんな感覚ができてきたら整備はとても楽しくなります。
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またやりましょう。