今年の仕事①…二ペソツ山登山道整備

今年度の山仕事もようやく現場作業が終わりました。
 
6月下旬から10月中旬までで約80日間の現場作業がありました。
整備・巡視・講習会・ボランティア作業、様々な形で登山道に関わることができました。
 
今年の作業をちょっと紹介します。
 
まずは大雪山二ペソツ山での整備。
主に天狗のコル付近で作業してました。
 
                          天狗のコル付近
             この辺りは踏圧や流水でかなりのガリー侵食があります。
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施工前後
登山者は掘れた箇所は歩かずに高く残った場所を歩きます。
このままだと歩きにくく、踏圧侵食は続きます。
材料も労力も少ないので最低限の施工をしました。
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踏圧侵食を抑え、流水による土壌流出も減らし
材料も少なく、できるだけ簡単な施工で・・。難しい現場でした。
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水の流れるルートを考え、人が不安なく歩く場所を見据えての施工。
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こういう道では登山者はできるだけぬかるみを避け
左右の斜面を歩いてしまいます。
そして踏圧侵食が起こり道が広がってしまいます。
少しでも歩きやすい箇所を作ればそこを通ってくれるはず。
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こんなガリー侵食になってしまったら
ここを元に戻すのはもう難しい状況です。
だけどこの状態を回復に持っていくことはできそうです。
まずは侵食を止めること。
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周囲の倒木、石材での施工です。
施工後、登山者の歩く場所を確認すると
思った通りの場所を歩いてくれました。
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樹林帯では段差が激しい個所もたくさんあります。
整備必要場所は150か所ほどあるとか。
今年は20か所くらいしかできませんでしたが。
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樹林帯であれば倒木などの施工材料はたくさんあります。
施工チャンスがほしいですね。
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違和感のないような導流工(排水工)も施工。
流水での侵食防止にはもっとも効果的な施工方法です。
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この場所ではいろいろな登山者と話をしました。
ナキウサギを見に何度も通う人。
近自然工法を知っている人。
手伝ってくれる人。
 
施工中、遠くから大きな声で話しながらおじさん5人組が歩いてきました。
施工した個所を見ながら何やら話しています。
 
「これは倒木を使っているな」
「斜めに配置して歩きやすくしているのか」
「景観も考えてあるぞ。違和感がない」
通り過ぎる時には
「この設計はあんたの頭の中で作っているんだな」
「俺らも土木をやっているからわかるんだ。いい仕事しているな」
 
嬉しくて言葉が出ませんでした。
きびしく難しい施工場所でしたが、いい経験になりました。
 
二ペソツは良い山ですが、まだまだ施工すべき箇所がたくさんあります。
いつかまた整備に行きたいですね。