小笠原遊歩道巡り

1月21日
遊歩道整備の視察で小笠原父島のルートを巡りました。
小笠原には遊歩道がいくつかありますが、ほとんどが森林生態系保護地域になっており
利用するためには講習を受けたり、ガイド同伴でないと入れないようになっています。
 
小笠原といえば海のイメージがありますが、実は山にこそ固有種が多く、貴重な自然が
見られます。
整備中もあれも固有種、これも固有種と言われ、不用意に植物を傷つけないよう、
いつもより気を使います。
 
今回は役場の方やガイドの方に案内され整備箇所の選定に行きました。
      登山口では靴底の泥を落とし、目的地を記していきます。
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整備場所視察といいつつガイドさんが解説してくれるので
ほとんど観光のようです。
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この父島は30分も歩くと植生が次々と変わり、不思議な感じがします。
大雪山のような樹林帯から高山帯への変化とはちょっと違いますが
明らかに植生が変わる。気候はほとんど変わらないのに不思議なもんです。
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枯れたように見えた葉は新芽だそう。
強烈な日差しから守るために若葉を茶色くしているとのこと。
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リュウゼツラン
葉っぱは棘だらけ、先端は刺さると痛い、葉の汁にはかぶれることもあるそう。
数十年に一度花が咲くといわれていますが、ここではけっこう咲いているとか。
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茶色いけどグリーンアノール、外来種です。
このトカゲが島の昆虫を壊滅的に食べているそうです。
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枯れ木。
シダ植物の大木が多く、枯れると炭化したようになります。中は空洞。
太古の地球にはこんな植物が多かったと言ってました。
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遊歩道内には時々こういった壕の後があります。戦争の遺物が多くあります。
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中には砲台?の残骸が・・。
こういう場所を撮ると時々映るよ・・・。と言われました。
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これも昔のものです。遊歩道は昔の軍道を利用している場所が多いそうです。
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エンジンは日産。
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トヨタもあった。
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昨年整備した箇所に到着。
二次浸食はなく、機能的には問題ないのですが
一部使った木材がシロアリにやられていました。
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シロアリの食った木材。中身がスカスカになります。
話には聞いていましたがこれほどとは。
シロアリが好む木材は使えないことがわかりました。
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さらに歩くと海を見下ろす場所に出ます(千尋岩とかハートロックと呼ばれる)。
断崖絶壁ですが海から見ると岩がハートの形に見えるそうです。
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よく見ると岩の中央に窓が三つあります。
これも壕の一部ですが、戦時中はここから見ていたのでしょうか。
 
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だけどこの場所とにかく高い。約200mの崖の上です。
高所恐怖症の自分は這いずってなんとか写真を・・・。
小笠原のすごいところは観光地のこの場所に柵も何にもないこと。
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千尋岩周辺は見慣れた侵食風景がありました。
だんだんと深く掘れてきているとのこと。早めに手を打ちたい箇所です。
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大雪山と侵食の見た目は似ていますが、原因は違います。
大雪山では凍結融解現象で法面が崩れていきますが、
こちらは極度の乾燥で表土がひび割れ、崩れていくようです。
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帰り道に見かけた野ヤギ。
昔食料として持ち込んだものが野生化して植生を破壊しているそうです。
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ガジュマルの森。
昔ここには民家があったそうです。   なんか・・すごい・・。
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整備箇所は選定されました。今度は整備に入ります。
ただ、シロアリ被害がひどいので現地調達の木材が使えません。
となると木材の荷上げから始まります。約4㎞弱の荷上げ。
体力はいくらあっても足りないようです。とにかく・・全力で。
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それにしてもガイドと一緒に歩くと本当に楽しいですね。